卵子提供に進もうと決めた理由

- メジャーじゃない選択肢に足を踏み入れる?
- 時間は有限、お金も有限
- 「それでも子どもが欲しいのか」問題
メジャーじゃない選択肢に足を踏み入れる?
ここ半年、自分でたくさん調べて、このワードを見るのも慣れてきたな〜とは思うけど、
まだまだ周囲に対して口にするのは躊躇する「卵子提供」。
実際、法整備などが整っている台湾など諸外国に比べると、日本ではまだまだメジャーな選択肢ではありません。
だから、国内において信頼できるような情報を探すのも一苦労だし、
エージェント選びなど、何を選択するのが自分にとってベストなのかはまだまだ手探り状態だな、と思います。
じゃあなんで「卵子提供」を決めたの?について、書いてみようと思います。
時間は有限、お金も有限
わたしは治療を初めて、約1年とちょっとで早々に卵子提供を検討し始め、夫との会話の中でもちょくちょく話題に出すようにしていました。
自分の治療歴については別途、記事にしようと思いますが、
体外受精に向けた治療では、最初から高刺激治療を選択したため1クール(約4週間)毎日ぶっ続けで自己注射。毎週の通院で採血してホルモンの数値をチェック。卵胞が出てこなければ生理を起こす約2週間の注射のお休み期間を過ごし、また1クールを延々、、。痛いことばかり。
通っている病院は、専門クリニックなので同じような境遇の方達でいつも満杯でした。
同士がたくさんいるようで、病院に行くと自分と同じように頑張る人がいることで励まされてもきたけれど、結果が出ないとやっぱりしんどい。ホルモンの数値は良い時も悪い時も容赦ないし。笑
自分の身体のことだから、もちろん頑張れる。
でも、好きでなった病気(特性)でもないし、何よりゴールが見えないことがしんどい。
これ、ゴールがあればそれはいつ?
そもそも、ゴールってある?
子どものことって、夫婦二人のこと。
自分でコントロールできないことだから、「ゴールがいつか」を夫に言えないことも悶々としました。
いや、もし逆の立場だったら間違いなく「そんなの気にしなくてもいいよ」って言うし、きっと夫もそう言ってくれるんだけれど、自分自身の気持ちとしてちょっとしんどい。
自分の身体によって生じることを、夫に背負わせてしまうのではないか、と思ってしまうことがしんどい。
周囲に不妊治療をしている友人はいるけれど、つまづいているステップはさまざまなことも気になっていました。
わたしのように、卵胞が出てくる・出てこないでつまづいている人もいれば
卵胞が出てきても、なかなか移植できるグレードのものができなかった人
移植がうまくいかなくてなかなか妊娠しない人も
移植がうまくいっても、不育症で流産を繰り返してしまう知人もいる
卵胞がでてきても、その先も色々ハードルがたちはだかる可能性もあるのか〜と思うと、気が重くなる時がありました。
もちろん、卵子提供だって100パーセント妊娠・出産できるわけではないけど、
1度目の移植で7〜8割程度まで妊娠するくらいにまで確率が上がるデータも存在すること(大体の確率がわかることもわたしにとっては大きかった)。
また、エージェントやバックアップクリニックによって検査項目などは変わりますが、移植するまでに夫婦ともにかなり検査をして、不安要素を潰していくということも、わたしにとっては一つ希望のようにも思えました。
あともう一つ、不妊治療において切っては切り離せない問題の「お金」。
わたしの場合は、これまでの治療は全部保険外でした。
通院日のたびに、高額な注射代の請求書を薄めで見ながら払う日々。
思うような結果が出ないまますぎる時間。消えていくお金。
もし、これが何年も続くとなると、だんだん自分の心(とお金)が、この先もたないかも。
と思うと同時に、
自分と夫の人生・将来を真剣に考える際に、卵子提供という選択肢をセットで考えるようになりました。
あとは、SNSで調べてみると、卵子提供を選択した人はたくさんいて
その人たちが揃って幸せそうにしている様子を知ることができたのも大きかったです。
もちろん、卵子提供を選択した人の中にもいろんな境遇の人はいるのかもしれないけれど、
卵子提供の選択の先に、とても幸せそうな未来も可能性としてあるのならば、
踏み出してみてもいいかな、と思いました。
「それでも子どもが欲しいのか」問題
「卵子提供」は、自分の遺伝子が入っていない子供を持つという選択肢になるわけで、
ネットやSNSで調べてみると、そこで躊躇している人も度々みられました。
日本国内でメジャーでない選択肢だからこそ、批判をする人もきっと一定数いる。
当然のことだと思います。
少し調べた限りでは、批判する人たちは「それでも子どもがほしいの?」という点に関して、疑問に思っているようでした。
養子縁組だって、もちろん選択肢としてあるし、夫婦二人暮らしだって、きっと楽しい未来がある。
わたしは「たとえ自分の遺伝子が入っていなくても、夫との子ども、ほしいなあ」と思ったから選択しました。
不妊治療って、人工授精とか体外受精とか、色々なステップがあると思うけれど、卵子提供はただその延長線上にあるものであって、
自分が好きになった大事な人との子どもなら、その選択肢がある限りぜひ授かりたいな、というそういうシンプルな考えでした。
夫の遺伝子が入るわけだし
自分のお腹の中で、「とつきとおか」大事に大事に育てるわけだし、
生まれてくる子どもは、まだ自我どころか手足もできていない受精卵の段階からわたしが食べた物と飲み物、時には声がけで育ってくれるのだし、
生まれてきてくれたあとは、わたしと夫で、これまたずっと大事に育てる。
何をもって「自分の子」かはそれぞれの視点に委ねられるものだけれど、
もし卵子提供で子供を授かることができるならば、
上記の理由から「それはもう、間違いなくわたしと夫の子どもじゃ〜ん!」と心から思えるから選択として選びました。
とはいえ、何度も書いているように、まだまだメジャーじゃないし、
「そこまでして、、」と疑問に思う人ももちろんいるでしょう。
そこはもう、その境遇にいるか否か(想像力)とか、それぞれの感性によって変わってくるものだし、押し付けるものでもないし!
その経験をした人にしかわからないことってきっと沢山あって、卵子提供もそうだよな、と思います。
でも、まだまだ今の時代、こうやっていろんな見方が分かれやすいテーマでもあるから、
わたしが提案した卵子提供という選択肢を理解し、受け入れてくれた夫には感謝の気持ちでいっぱいです。
いろんな経験を経て、そこから辿り着いた選択肢。
だからこそ、何かのきっかけでこのページに辿り着いてきてくれた人たちは、きっと
いろんな背景を抱えてきてくださったのではないかな〜と想像します。
だから、わたしと同様に卵子提供に進むとしても、そうでないとしても、
納得のできる未来が待っているといいな、と心から思います。